安藤裕子
2009年12月25日

凛としながらもどこか憂いを帯びた歌声と、強い芯のある世界観。そして内に秘めた感情を全身の力を使って放つ姿に、頭のてっぺんからつま先まですべての神経が引き寄せられてしまった。そんなステージを繰り広げてくれたのが安藤裕子である。
柔らかなメロディが印象的な「はじまりの唄」からスタートしたこの日のライヴ。舞台に立った彼女は、身振り手振りを交えて歌に込められた想いを表現していく。そのパフォーマンスを前に、思わずすがりつくように見入ってしまった。ただ、それは自分だけではないはずだ。オーディエンスも、息づかいまで感じ取ろうとするように真剣な眼差しでステージを見つめている様子。
彼女の歌の世界を聴いていると、嬉しいことや悲しいことなど人が持つ様々な感情の渦が流れ込んでくる。まるで、純粋な心の固まりに接するかのようだ。だからこそ、哀しみを歌う曲だとしても優しさに満ちているのだと思う。
中盤では、「六月十三日、強い雨。」を。音楽にどっぷり浸りながら、そばにいる大切な人を思い浮かべていく。そして言葉の一つひとつを胸に深く刻み込んでいるうちに、誰かを愛しく思うことの重要さを再確認させられてしまう。新曲「Paxmaveiti ラフマベティ -君が僕にくれたもの-」では、光のある出口へと導かれるような感覚に。曲が進むにつれて、次第にじんわりと目の奥が熱くなっていくようだ。
何もかも包んでくれる大地のような温かさを持ち合わせた彼女の音楽。聞き終わった後、一点の曇りもない気持ちが広がっていた。2010年1月からは、アコースティックライヴツアーを開始するという彼女。そちらもぜひチェックしてほしい。
○安藤裕子オフィシャル・サイト
http://www.ando-yuko.com/
Text:松坂 愛
Photo:江森康之
Photo:江森康之
Posted by IE SOUND JAMBOREE at 16:27│Comments(0)
│レビュー